インフルエンザにかかるとあるインフルエンザ脳症を発症する可能性があります。
このインフルエンザ脳症は子供だけが危険なのではありません。
成人もインフルエンザ脳症になるケースがありますよ。
しかも、インフルエンザ脳症で死亡された成人の方もいらっしゃいます。
ここでは、成人がインフルエンザ脳症になった場合ときについて説明していきます。
インフルエンザ脳症に成人がなった場合の症状は?
そもそもインフルエンザ脳症ってなんだと思いますか?
これは、名前から推察するとウィルスが脳まで侵食して神経をおかしくすると思われるかも
しれません。
ですが、これは違います。
実は脳を攻撃するのは自分の免疫が行います。
免疫機能の過剰反応の結果がインフルエンザ脳症なのですよ。
そして、症状ですがこれも子供と同じでけいれん、意識障害、異常行動ですね。
けいれんや意識障害がなんとなく分かるとして異常行動ってなんなのでしょう?
これも読んで字のごとくですが
行動が異常な訳です。
幻覚やら幻聴のせいで言動がかなりおかしくなります。
けいれん、意識障害、異常行動がみられたらインフルエンザ脳症の可能性がありますよ。
インフルエンザ脳症に成人がなった場合の治療は?
インフルエンザ脳症は症状が急激に現れます。
また、進行も早いというから厄介です。
しかも、進行してしまったらどのような治療も限定的にしかできません。
ですから、インフルエンザ脳症は早期発見、早期治療が大切です。
それで、問題の治療ですが
これには2つあります。
それが、支持療法と特異的治療です。
まず支持療法ですが、これは全身の状態を保つことがメインになります。
けいれんが酷いならけいれんを薬で抑えるんですよ。
また、呼吸が難しいのなら人工呼吸器を装着します。
こういったことを行い、全身の状態を保ちます。
そして、特異的治療ですがこれは免疫の異常をなんとかしようとするものです。
具体的な治療方法ですか
抗ウイルス薬、メチルプレドニンパルス療法、ガンマグロブリン大量療法があります。
抗ウイルス薬はオセルタミビルという薬を使います。
この薬にはインフルエンザ発症後48時間以内での使用で有熱期間を短縮できます。
また、メチルプレドニンパルス療法とはメチルプレドニゾロンという薬を点滴で投与します。
このメチルプレドニゾロンには中枢神経系内の高サイトカイン状態や高サイトカイン血症の抑制に有効なんです。
またメチルプレドニゾロンには、脳浮腫を軽減する効果もあります。
最後のガンマグロブリン大量療法とはガンマグロブリン1 g/kgを10~15時間かけて点滴静注するものです。
このガンマグロブリンを使うことでインフルエンザ脳症の経過中に生じる高サイトカイン血症に対し有効なのですよ。
インフルエンザ脳症に成人がなった場合の後遺症は?
インフルエンザ脳症の後遺症ってどんなものがあるのでしょうか?
それは、知能低下、運動麻痺、てんかん、嚥下障害なんですよ
最後の嚥下障害はえんげしょうがいと読みます。
これは食物や水の飲みこみの障害のことなんですよ。
どれもリハビリをして後遺症の影響を小さくするしかありません。
まとめ
インフルエンザ脳症は子供がなるものと思っておられる方もいらっしゃいます。
ですが、実際は成人も発症しているのです(T_T)
ですから、成人がインフルエンザにかかった時もインフルエンザ脳症には注意が必要なんですよ。